ロールしている時ボディ外側は沈み込み、トレーリングアームがボディ からサスペンションに向かって上向きとなり、フロアの距離が相対的に短くなり オメガユニット外側を前方に引っ張る働きをします。 そして内側の浮き上がる側では、逆の動きが発生します。 これにより、リアサスペンション全体で、 ロールに応じて一種の4輪操舵的な動きを示すのです。 さらに2本のトレーリングアームは十分な角度が付けられ、 走行中にサスペンションに対して横方向からの力を受けたときも、 外側アームが前方に引っ張られ、ロール時と同じように、 軽度の4輪操舵傾向を示します。 通常のトレーリングアーム型のサスペンションのように、 横方向からの力を受けてトーアウト現象を起こし、 直進安定性を低くするのとは全く逆の、安全性の高い動きをするのです。 エレクトロニクスに頼らず、ボディの動きをダイレクトにサスペンションに伝え 絶えずボディの姿勢を安定させるのがオメガサスペンションです。 |
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FF車の前後荷重負担の差を十分に考慮し、比較的固めにセットされ、 トーションバースタビライザーを装備したフロントと、柔らかめにセットされた リアのサスペンションバランスも、十分なテストで決定された、 Y10の自慢のポイントです。 ショックアブソーバーのみを共通とし、ターボ用バネレートを他モデル用 より1段堅くし、グレードに合わせたコーナリング性能と乗り心地に対する 配慮もなされています。 現在もヨーロッパの都市に残されている石畳でも、 日本では考えられないほど高い速度での走行が常識的な高速道路でも、 乗りやすく、乗り心地良く、安定した走行をY10は実現しています。 横風を受けても高い直進性を保ち、 ワインディングロードでは適度なロールを保ちながら素晴らしく早い速度で コーナーをクリアしていく、ヨーロッパ車らしい快適なコーナーリング性能を Y10は持っています。 |
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